運命に引き寄せられて

ハッピバースデーき~す~♪ ハッピバースデーき~すぅ~♪

今日はキースの3歳のお誕生日。
例年のごとく、手作りケーキと犬用ワインで乾杯♪

キースと暮らしてもう3年。
思えばいろいろあった。

キースが我が家にやってきたのは平成16年7月5日 生後45日の時だった。

子供の頃、「盲導犬サーブ」や「警察犬カール」などシェパードが活躍するお話を見て、シェパードに対して特別な思い入れを抱いていた私は
いつかシェパードを飼うなら訓練済みのとびきり賢い犬を!と心に決めていた。

愛知県にある警察犬訓練所を訪れたのは、たまたま通りかかったから。

「今日新潟からシェパードの子犬が来たよ」と案内された時も
子犬は眼中にもなく
『そんなのはいいから早くドーベルマンの訓練を見せてよ』
と思ってうわの空だった。

冷たいコンクリートの上で独りただずみ
遠い目をしながらチラリとこちらを見ただけの子犬。

なぜあの時「この子連れて帰ります」なんて言葉が口から出たのかは
未だにわからない。

憧れのシェパードを飼うあかつきには万全の体勢で!
と、あれほど考えていたのに、まさか衝動買いしてしまうなんて。

まぁいいよね。憧れのシェパードだ!よろしくね。
・・・・。
???。

キースは冷めた子犬だった。

普通の子犬なら、呼べば尻尾ふって飛びついてくるのに、
キースはいつも部屋の隅で、冷たい視線でこちらをジロリと見ていた。
触ろうとしたらスッとその場を立ち去り、少し離れた所に腰を下ろす。
子犬なのにウンともスンとも泣かない。
トイレも初めて連れて帰った瞬間からペットシーツで完璧にやり、一度も失敗することもなかった。

ただただ大人びて怖いくらい冷静だった。

心の安らぐ音楽をかけたり、アロマを焚いたり、
なんとかキースを落ち着かせようと努力した。

本当は私が落ち着きたかったのかもしれない。

ある日、撫ぜようとしたらウゥ~と小さく唸り声をあげて首に噛みついてきた。
首に噛み付く子犬なんて見たことがない。
お前にはどんな血が流れているんだい?
これが軍用犬の血というものなの?

キースのことが、ちょっと怖くなってきた。

数人の訓練士の人にキースを見てもらった。
すると「この犬の目つきはおかしい。
キチガイ犬だから早く手放したほうが良い」と皆口を揃えて言った。

キチガイ犬。そうか。・・・恐ろしいな。

なんでこんな犬買っちゃったんだろう。
なんで訓練済みの賢い成犬にしなかったんだろう。
なんで私はコイツを選んだのだろう。
なんで
なんで

・・・。
なんでこの子は心を開かないのだろう。

もういいや。
この子を選んだのは私自身であって
それは強制でもくじ引きでもなかった。

この子が将来、本当に危険な犬に育って
他人を傷つけてしまうようなことを仕出かしたなら
その時は私が責任もって、この手でこの子に手を下そうじゃないか。

この子を変えてあげられなかった私は
犬の命を奪った罪の意識をずっと背負って生きてやる。

もういいよ。
キース。君のことが本当にわからないんだ。

心を開いてやれなくて…ごめんね。キース。

そう思った瞬間、窓際でジッとこちらを見ていたキースが初めて
自分からトコトコとやってきて、私の顔をペロリと舐めた。

シェパードは人間の心臓の動きを読んでいると、聞いたことがある。

そうだ。
キースは私が怖がって緊張している鼓動が、落ち着かなかったんだ。

以来、キースは嘘みたいに子犬らしさを取り戻した。
そしてずば抜けて賢かった。
何も口に出さなくても全てを理解していた。

憧れのシェパード。
それは、盲導犬サーブでも警察犬カールでもない。

今なら胸を張って言える
私の大事な最高のパートナー。家庭犬キースに他ならない。

運命に引き寄せられて” に対して 2 件のコメントがあります

  1. なーな より:

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    このブログ記事、何年か前に読んでたし、だいたい覚えてたけど、今日また読んで、キースの歳や胃捻転の事を考えたら泣けた。本当に泣けたよ(TT)
    憧れのシェパードは間違いなく私にとってもキースだよ。
    久美子さんとキースが少しでも長く一緒にいられますように。

  2. anipla より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    >なーなさん
    ありがとう。本当にありがとう。
    実際にキースに会った事がある訳ではないのにそこまで思って頂けるなんて
    なーなさんの写真越しでも動物の感情を見抜ける目の凄さと優しさを感じます。
    文字に秘められた私の思いまでを深く読み取って頂けるのは
    書き手として最高に嬉しいことです。
    こんなに古い記事を読み返してくれてありがとう。

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