以前、紹介した記事「顔がパラボラアンテナ?でも、バウムクーヘンのおはなし」で、フクロウの聴覚のことを書くつもりで、カラフトフクロウを紹介しました。
その結果、バウムクーヘンの話になって終わってしまったので(※詳しくはこちらの記事)、今回はちゃんと「聴覚について」。
音を立体化する
フクロウは「耳を使って狩りをする」とも言われていますが、はたして「耳を使う」とは一体どういうことなのでしょうか。
音がする方向を確かめる時、人はその音の方向に顔を向けて確認しますよね。
正確には、耳に音が届くまでの距離が左右同じになったところを、その音の発生した方向、という作業をしていることになります。
これをすることによって、どの方向で音がしているのかを確認することができます。
ですが、今度はその発生源までの距離は分かりません。音の大小で、ある程度の遠い近いの推測はたちますが、正確な位置、となるととても難しいのです。
そして、ここからがフクロウのすごいところ。
実は、フクロウの耳は高さが左右非対称に位置しているのです。
非対称になることによって、高さにずれが出ます。
そして、このずれによって、今度は縦方向の音の伝わり方にギャップが生じます。
フクロウはこの特殊な耳を使い、さらに頭を横軸、縦軸、回転などを行い、音の距離を正確に特定するのです。
まるで測量士のようですね。
音で距離を測り、羽ばたきの音を極力させずに滑空する。これらは夜間に狩りをするのに絶好な身体能力となります。
ではなぜ、音で狩りをするということが分かったのか?
その辺りは、またいずれ記事にしていきたいと思います。