神羅と空
同じハリスホークのメスだけど性格はまるで違います。
神羅は飼育下で産まれましたが、親鳥によって育てられた
専門用語で「ペアレント」と呼ばれる個体です。
イギリス産まれの神羅は体も大きく迫力満点です。
警戒心が強く、私以外の人の手には乗りたがりません。
他人が近寄ろうとしたら、ガァーと大きな声で威嚇することさえあります。
ですが私の事は信頼してくれているようで、何をしても怒りませんし
どこへいっても離れようとしません。
頭もよく、ショーイベント用の細かな演目も立派にこなしてくれます。
大空高く飛んでいる姿はとても優雅で堂々としていて、惚れぼれします。
他人に心を許さず私だけに執着している神羅は
私にとってはとても可愛い存在です。
空が来たのはまだ生後2週間ほどのヒナの時でした。
この状態から人が育てたものは「インプリント」と呼ばれます。
上手に育てなければ、餌をねだり頻繁にうるさく鳴き続けるようになったり
人に対して警戒心を持たないために、お腹が空いた時に攻撃的になったりと
悪癖が付くことがあるため、しっかりとしたプログラム管理の下で育てる事が必要になります。
幸い、空はおっとりした良い子に育ってくれました。
成鳥になった今でも自分の事を鳥と認識していないような
どこか犬のような存在です。
誰に対しても警戒心の薄い空は、気を使うことなく接する事ができますので
誰からも愛される鷹です。
撮影会などのお仕事では大活躍してくれますが
たまに誰かの背中や肩にとまることがありますので
悪気はなくとも鋭い爪や嘴を持った鷹ですので、他人に怪我をさせるようなことが
ないように十分気をつけなくてはいけません。
長所も短所もある2匹ですが
それぞれ個性があって面白いものです。
鷹をお選びになる時にインプリントにするかペアレントを選ぶか…
もちろん個体差もありますし、一概には言えませんが
その子の育ってきた環境、心理状況を察してあげるという面でも
参考までに気にとめられると良いかと思います。