アニブロコアリクイのクイちゃん追悼記

花水木に包まれて

花が終わり、落葉し、枝だけとなるハナミズキは
やがて周りの景色に溶け込み、風景と一体化し
そこにあることさえもつい忘れてしまうくらいに、寂しい姿になる。
それでもひっそりと新芽をつけ、葉が茂り、毎年この時期に
白く美しい花を咲かす。
突然湧いて出たかのように目に飛び込んでくる愛らしい花の存在に
ふと気が付く。
日常の忙しさの中に、忘れかけていたハナミズキの存在。
あ…4月中旬なんだ
桜の季節が終わるとハナミズキの出番がやってくる。
決して桜とも見劣りしないくらいに美しく満開の花をつけ咲き誇る。
今年も咲いたんだ。
・・・また、会えたね。
4月23日は最愛のペット、コアリクイのクイちゃんの命日。
クイちゃんが亡くなった時に
この時期だけに真白な愛らしい花をつける、ハナミズキの木を植えた。
その木の下で眠るクイちゃんに
今は1年に一度だけ作る、アリクイフードを作ってお供えした。
散歩中、通勤途中、公園で、街角で
この花を見かける度に、涙が溢れて止まらなくなる…。
ハナミズキが美しく咲くたびに、
お別れの悲しみ以上に、楽しかったクイちゃんとの日々を
忘れたくないと思う。

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